1923年9月1日11時58分ごろ、現在の神奈川県、東京都を中心とした関東地方から静岡県東部にかけて、大きな地震が発生しました。
関東大震災です。
この震災では死者行方不明者10万5千人という当時の史上最大被害をもたらしました。
タイルって床や壁に貼るだけの建築建材のひとつだと思っていませんか?
当研究所ではタイルがもっと世の中に普及して様々な用途で使われるように、日々、様々な研究を行っています。
技術研究所長のひとりごとではこんなタイルの可能性や近況などを少しだけ発信していきます。
関東震災霊牌堂
関東大震災の発生した1923年9月1日から月日は流れ、2014年、この関東大震災の犠牲者を慰霊する目的で和歌山県の高野山に立てられた「関東震災霊牌堂」に、400枚のタイルで作られた犠牲者名簿が保存されていることがわかりました。
このタイルは縦18センチ、横24センチ、1センチの厚さで1枚の両面に75名の名前が記され、約5万4700名分の名前がありました。
ダントー技術研究所モノづくり展示室にその実物が展示しています。
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白地のタイルに青字の顔料でしっかりと焼成されているため、名前がかすれて消えてしまうことはありません。
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表面と裏面にびっしりと60~75名ずつのお名前が記録されています。
これはおそらく試験用サンプルかと思いますが、実際はこれが400枚保存されているようです。
当時の新聞記事
発見された当時の各新聞掲載記事がこちらです。
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東京市永田市長
この霊牌堂は当時の東京市長永田秀次郎氏が私財を投じて建立されました。
兵庫県南あわじ市出身であった永田氏は「1万年以上保存したい」との思いから、同じ南あわじ市に淡路島工場が所在するダントーに犠牲者名簿の製作を依頼されたようです。
永田市長といえば・・・
NHKで放送された大河ドラマ「いだてん」で、イッセー尾形さん演じるあの方です。
上白石萌音さん演じる水泳銀メダリスト前畑秀子さんに「なぜ金メダルをとれなかった?」と迫り批判されていたあの方です。
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震災を経験して
当社も1995年に阪神淡路大震災という大災害を経験しています。
タイル本来の使用方法ではありませんが、半永久的に歴史を刻むことが可能であるタイルの機能をご理解いただき、災害の恐ろしさを後世に伝えるお手伝いができたことはタイルメーカーとしてて身が引き締まりまる思いです。
9月1日はそんな気持ちにさせられる1日です。
最後になりましたが、犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。