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タイル業界が1分でわかる。注目のタイルメーカーの特長は??

タイルの知識

「タイルメーカー」と呼ばれる会社は全国に多数存在します。一言で「タイルメーカー」と言ってもその成り立ちや形態は様々です。注目のタイルメーカー各社の特長と独自性について触れていきます。

現代のタイル業界を語る上で、国産品と海外品の変遷についてご紹介します。タイルは元々古代に海外から日本に伝わって来た後、その生活様式に順応して国内で独自の進化を遂げました。しかしながら昨今では意匠面・量産面で国内でのシェアは海外品に年々押されているという実情があります。

国内タイルメーカーあれこれ

日本の国内タイルメーカーと言えばLIXIL、アドヴァン、名古屋モザイク工業、ダントータイル(Danto)等があります。これらのメーカーはタイルの「総合メーカー」として様々な需要に応えるべく、国産品(自社品・OEM品)・海外品から副資材、目地材まで幅広いカテゴリの商品を取り扱っています。

総合住宅設備メーカー「LIXIL(リクシル)」

LIXILは旧・INAX(伊奈製陶)として広く皆さんに知られているメーカーです。

最大の特長は、国内建材グループで最大手で住宅設備機器やサッシ等様々な商品を取り扱う総合建材メーカーです。商品展開も多岐にわたりLIXILだけでキッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレなどの水回り品だけでなく、サッシやインテリア・エクステリア建材など、住宅空間に関する建材のほぼ全てに対応可能で、幅広い層に利用されています。

輸入タイルメーカーの「アドヴァン」と「名古屋モザイク工業」

近年では海外品(輸入タイル)に特化したメーカー(商社)もあります。アドヴァンと名古屋モザイク工業です。

アドヴァンは元々タイル施工会社としてスタートし、現在ではイタリア・スペインなどのヨーロッパや、中国・タイなどアジアから輸入した商品を中心に販売しているのが特徴です。ヨーロッパ製のデザイン性に富んだものや、アジアで生産された価格面で優位性のある商品を取り扱い、それにより世界のトレンド品が手軽に手に入るというメリットを打ち出しています。

名古屋モザイク工業は「名古屋モザイク共同販売所」というタイル販売会社からスタートしているという経緯があります。現在では、900ページを超えるカタログと全国展開しているショールームを武器に、輸入大判タイルやデザイン性に富んだモザイクタイルが市場に浸透しています。

特色を持った国産品メーカー

一方で国産品メーカーはどうでしょうか。

岐阜県多治見市笠原町が国産タイルの「一大産地」で、大小合わせ数多くのメーカーが存在しています。

この地域のタイル製造会社はいわゆる「窯元」であり、基本的には先程紹介した「総合メーカー」等に対して商品をOEM供給する形態が主となります。しかし近年では国産品の需要減、押し寄せる海外品の波に対抗すべく、創意工夫を凝らし独自性を前面に押し出しながらメーカー色を強めています。

例を挙げると乾式プレスメーカーでは日東製陶所、杉浦製陶、湿式押出成形メーカーでは国代耐火工業等が有名です。

スワンタイル | 株式会社日東製陶所 株式会社TChic(ティーシック) |東京 名古屋 大阪 岐阜 多治見 タイル製造
岐阜県多治見市のタイルメーカー、株式会社日東製陶所の「スワンタイル」のブランドサイトです。当社は国内トップクラスのタイルメーカー。当社のタイルは、全国のマンション、学校、戸建て住宅から、空港、デパート、官公庁まで幅広く使われています。これまではOEMの製造がほとんどでしたが、近年、自社ブランド「スワンタイル」のブラッシ...
杉浦製陶株式会社
私たちは土と炎の街、多治見市で美しさを追求したものづくりを通して、豊かで幸せな社会をつくり続けます。

国内最古のタイルメーカー「ダントータイル」

国内最古のメーカーとして知られているのがダントータイルです。

1885年創業のダントータイルは、その起源が文政年間の蜂須賀藩のお手窯であった「珉平焼」という焼き物にあります。

焼物の焼成技術を生かし、美しいマジョリカタイルからオフィスビルや住宅の内外装タイルまで、130年以上に渡ってセラミックタイルを製造しています。
淡路島にある工場では今も変わらず、素材にこだわった機能性タイルや高品質で個性的なタイルの開発に取り組んでいます。

Danto Tile タイル研究室 ー福ラボー

まとめ

ひとくちにタイルメーカーといっても、自社でタイルを製造しているメーカー、自社で工場を持たず海外品をはじめとする企画・仕入・販売というスキームを持つメーカー等いろいろです。

国産品・国内工場のメリットはどこにあるのか。海外品は基本的なスタンスとして、世界のトレンドやデザインを取り入れるという受け身の姿勢です。それに対し設計者・デザイナーがメーカーと一緒になってこだわりの「ものづくり(特注品)」をする場合、国産品に優位性があるのではないかと考えています。特注品の場合には何度も試作を行うことが多いですが、試作品は比較的短期間で確認することができます。実際に工場で作業をする職人にイメージ・ニュアンスの伝達することも、国内工場であれば可能です。その他にも品質管理面、製造現場を訪れ雰囲気を感じることが出来るなど、様々な点においてメリットを発揮します。

建築・建設業界も世界の景気変動やサステナブル社会の到来により、既に大きな変革期を迎えています。当然その一部であるタイル業界も例に漏れず変革を迫られています。

多くのメーカー・商社・工場が個性を打ち出しながらブランドを確立していこうとしています。その過程でこの歴史の古い・伝統的なタイル業界にも変化が訪れるかもしれません。

皆さんが商品を選ぶ際、その会社の歴史も一緒に覗いてみると面白いかもしれません。

(注)本記事は、株式会社DantoTile独自の見解が含まれていますのでご了承ください。

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