【施工ガイド】大判タイルを壁に張る

タイルの用途

「壁タイル」と聞いて思い浮かべるのは、二丁掛けや50mm二丁などのタイルが一般的ではないかと思います。ところが近年、床面に使われる600角、1200x600などの大判タイルを壁面に使うケースも増えています。

大判タイルを壁に使用する際には通常の施工とは異なり、金具を使用した「大型タイル乾式工法」が推奨されます。

大型タイル乾式工法の施工手順(マニュアル)は用意しておりますが、弊社の技術研究所内で実際に施工してみましたので、写真などを加えできるだけわかり易く紹介したいと思います。

推奨施工方法

まず、どのような工法で施工するかですが、タイルの寸法や仕様部位にあった工法で施工することが重要です。

推奨の施工方法は下記の表を参照ください。

それでは、SG工法(セーフティグリップ工法)、Zハンガー工法の手順を見ていきましょう。

SG工法(セーフティグリップ工法)

1.墨出し

アンカーボルト打設位置(縦横で横は目地芯)の墨出しを行います。

2.1次アングルの取付け

1次アングルに設けられている「けがき線」と横目地芯が一致するようにして1次アングルを固定します。

(実際はアンカーボルトでの固定となりますが今回は施工例として壁紙を張り付けた合板への施工なのでビスで固定しています。)

3. 2次レールの取付け

角根ボルトM8とナット類で2次レールを仮固定し、水糸等を使用して不陸を入念に

調整してから本締めを行います。

ここでの不陸調整が「仕上がり面の揃い」に大きな影響を及ぼすので超重要作業です。

4.グリップ金具の取付け

タイル裏面のスリットにグリップ金具A(上部)とB(下部)をタイル端部に専用トルクドライバーで80N・㎝でカチカチと空回りするまで締めてセットします。

必要であればこの時に飛散防止シートを裏面に貼付けておきます

5.タイルの取付け

2次レールに目地芯から4㎜下がったタイル上端となる位置とタイル左右端のどちらかに墨出しもしくはレーザーを十字に合わせます。

タイルと2次レールの間の下部にガタつき・飛散防止のための弾性接着剤を打設して、タイル下にスペーサー等を利用しながらタイルを合わせて位置決めをします。

次に2次レールのグリップ金具Aの穴位置部分にリベット用の下穴をあけるのですが、このレールはとても頑丈な材質でできているので、キリで下穴があいた時に勢い余ったドリル本体がタイルに接触してタイルを破損させてしまう恐れがあります。

この時にタイルとドリルの間にゴムや断熱材等を利用してクッションを挟むと安全に作業できるのでお勧めです。

また、この時にタイルを一度外して下穴をあけることができる場合は、下穴位置マジックなどでマーキングをしてタイルがない状態で下穴をあけるとより安心して作業を行えます。

ポンチなどを使用すれば、ドリル先端が滑らず作業しやすいです。
(この場合2次レール下部への弾性接着剤の打設は下穴をあけてから行います。)

補足ですがグリップ金具Aは施工時の融通性確保のために穴部分の金具が若干動きます。
この関係で下穴の位置を決めるときはグリップ金具Aの穴位置をタイル張付けの上側に引き上げた状態で位置決めしておくと、リベット締結後にタイルがその融通分下がって水平方向の通りがずれてしまうことを防ぐことができます。

下穴があいたらリベットを締結してタイルを固定し、タイルと2次レールの間(上部)にガタつき・飛散防止の為の弾性接着剤を打設します。

同様に上段へ目地棒等を使用してタイルを施工していきます。数日後、弾性接着剤が硬化したら目地棒等を取り除きます。

6.シーリング材の打設

目地にバックアップ材を挿入し、マスキングテープを貼付けてシーリング材を打設し、

すぐにマスキングテープを除去します。

シーリング材の仕上げを指で行う場合、目地を深くしたいときは下記写真Aの指向き、

目地を浅くしたいときは写真Bの向きに指をあてると意匠を変えることができます。

シーリング材が硬化したらSG工法の施工完了です。
(わかり易いようにタイルをカットしています)

Zハンガー工法

1.墨出し

下地にタイル割付のタイル上端と左右のどちらかに墨出しをして

レーザーを合わせます。

2.Zハンガー金具の取付け

タイルにZハンガー金具をテープや接着剤で仮固定します。

この金具はタイルの自重を支えるためではなく万一の場合の剥落防止を目的としているので強固に固定する必要はありません。

3.タイル裏面に接着剤の打設とゴムパッキンの貼付け

タイルの張付け方向に対して上下方向に弾性接着剤をビード高さ10㎜以上、間隔150㎜以下で打設します。

今回は600角サイズなので130㎜間隔で5本打設しました。

次に、タイル下側に厚さ5㎜のゴムパッキンを貼付けますが、Zハンガー金具の上下方向の延長上である右の写真のオレンジの箇所に貼付けると、下段に施工したタイルに取り付けてあるZハンガー金具に干渉する場合があるのでずらしておくことが必要です。

4.タイルの張付け

墨出しもしくはレーザーの位置に目地棒等を利用してタイル位置を合わせ、下地に適合したナベ頭ビスで固定していきます。長さ30㎜以上のビスを推奨していますので躯体側に若干の不陸がある場合は完全にビスを締め込まずに少し緩めに締め不陸調整を行うと面合わせが容易です。施工サポートとして使用している裏面に貼付けたゴムパッキンは厚みが5㎜になっていますので金具の厚みと同じため不陸が無い場合はしっかりタイルを押さえて頂ければタイル上下共5㎜の隙間で揃うため面合わせができます。

同様に上段へタイルを施工していきます。

数日後、弾性接着剤が硬化したら目地棒等を取り除きます。

5.シーリング材の打設

目地にバックアップ材を挿入し、マスキングテープを貼付けてシーリング材を打設し、すぐにマスキングテープを除去します。

シーリング材が硬化したらZハンガー工法の施工完了です。
(わかり易いようにタイルをカットしています)

まとめ

今回2種類の工法を紹介させていただくため技術研究所内で断面も確認できるように施工してみました。

完全乾式工法となる「SG工法(セーフティグリップ工法)」、接着剤併用となりますが剥落防止金具付きの「Zハンガー工法」を用途で選択いただければと思います。

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