大正後期から昭和にかけ、ダントーでは国内外にマジョリカタイルを提供していました。
既に1世紀も経過するのですが、今の世界中の建築物にマジョリカタイルは残っており、その芸術性と耐久性は再評価されています。
銭湯カフェ・さらさ西陣
銭湯を彩る芸術的なマジョリカタイル
京都にある船岡温泉の歴史は大正12年、初代が料理旅館「船岡楼」として創業したことに始まります。歴代の当主が様々な工夫をこらし現在の形になりました。登録有形文化財にも指定された由緒ある唐破風造の建物です。壁面にはレトロなマジョリカタイルが施され、脱衣場の天井に彫られた鞍馬天狗や透かし彫りの欄間など芸術としか言いようがない装飾の数々をご覧いただけます。
船岡温泉街の中の注目スポット「さらさ西陣」。そこは、数年前まで藤の森湯というお風呂屋さんでした。外観はそのままで、浴室内のマジョリカタイルそのままに残してリノベーションされており、ノスタルジックな雰囲気の中、お茶を楽しむことができます。 船岡温泉の一角にある旧銭湯の建物を再利用し、きれいに改装されたカフェが「銭湯カフェ・さらさ西陣」です。
昭和初期にタイムスリップ!
店舗の外装では、まず目を引くのが腰壁部分に使用されたマジョリカタイル。さすがにコーナー部分は衝突からか我が目立ちます。ただ、驚きは雨風にあたる部分にも関わらず色の劣化が全く見られません。
店舗に一歩足を踏み入れると鮮やかなマジョリカタイルが全面に広がります。
天井の吹き抜けがある部分がもともとお風呂があったところでしょうか。銭湯のなごりを感じさせますが、内装壁からはとても銭湯跡地だとは思えません。これまた色の劣化がない!
浴室タイルとしても最高品質というのが証明できます。
所狭しと壁面に敷き詰められたマジョリカタイル。1枚1枚手作りのタイルなので、現在の価値で計算すると大変な価格になるでしょう。
長い年月を経て、全く色褪せないのはタイルならではの特長です。ぜひこれはご自身の目で見ていただきたいです。
使われているマジョリカタイルをダントーのカタログで発見!
写真に納まっているマジョリカタイルを社内に保管されている旧淡陶株式会社(現株式会社DantoTile)のタイルカタログで調べてみました。
ほとんどのタイルがこのカタログに掲載されていました。
この時代はこんなカタログを使って内装デザインとかを打ち合わせしてたんですね。
ぜひこの先もずっと皆さんを楽しませていただけれ嬉しいです。
さらさ西陣
〒603-8223 京都府京都市北区紫野東藤ノ森町11−1
現代のマジョリカタイル
タイルの工業化が進む中、マジョリカタイルの生産は少なくなっていき、第二次世界大戦やその後の高度経済成長期には生産自体がほぼなくなっていきました。
ダントーでは、過去に何度かマジョリカタイル復刻版を生産してきました。
2017年、単なる復刻ではなく、現代にあった形でマジョリカタイルを進化させたうえで復活させたいと思い、福ラボでは『どんざ』タイルを開発しました。
マジョリカタイル復刻版、内装用タイル「どんざ」は下記にて購入が可能です。