タイル張り外壁で住宅を長寿命化
国土交通省が公表しているデータによると日本の戸建住宅寿命は30年。一方で、アメリカは55年、イギリスは77年と日本の2倍の平均寿命となっています。寿命が短い理由には、木造住宅が多いこと、歴史的背景、価格重視、新築へのこだわり、など様々な理由があるようですが、大きな費用を掛けて造り、家族の思い出の詰まった家なので、親から子、孫の代まで引き継いでいってもらえたら素敵ですよね。また、環境面からも国策として住宅の長寿命化が進められています。
住宅を長寿命化させるメンテナンスは様々な部分で必要ですが、日々雨風にさらされる外壁は特に劣化の激しい部分です。日本の住宅の約8割を占める外壁材であるサイディングの寿命は、メンテナンスをしても約30年と現在の日本の住宅寿命と同程度のものとなっています。住宅の長寿命化のためには、長持ちする外壁材を選定することが重要な要素だと考えています。長持ちとは美観・性能面で新築時に近い状態が維持されることですが、メンテナンスに多大な費用が掛かってしまっては意味がありませんので、メンテナンス費用が抑えられることもポイントになります。
では一番長寿命化に貢献する外壁材はというと・・・、それはずばり「タイル」です。ではなぜタイルなのか?その理由を説明していきましょう。
【タイル外壁が長持ちする理由】
1、耐候性
タイルは石や粘土などの天然の原料を約1,200~1,300度の高温で焼成しています。そのため、紫外線や熱などによる経年劣化に非常に強い性質を持っています。下図の通り塗装材は10年経つと色差(=劣化)がでてきますが、タイルは40年ほど経ってもほとんど変化がありません。
2、キズに強い
一般的な外壁材は風で舞い上げられた砂や小石の影響で付いたキズに汚れが付着していきますが、タイルのモース硬度は6以上(数値は1~10でチョークが1、鉄は4)のためキズが付かず、汚れも付きにくいままです。
サイディングは“3”でキズが付き、タイルは“10”でもキズが付かず。(※当社試験)
3、耐水性
外壁タイルに多く使われている「磁器質タイル」の吸水率は3%以下。外壁材自体が水分を含んでしまい、寒冷地で起こる冬場の凍結による外壁破壊の被害(凍害)も格段に低いのです。ちなみにサイディングのJISによる吸水率の規定は「20%以下」となっています。
※だから新築時に近いままの状態が維持され、メンテナンスも必要最低限で費用も抑えられるんです!
↑サイディングと外壁タイルの裏面吸水の違い。
浸水後、上がサイディング、下が外壁タイル。サイディングは吸水が多くはっきりと色が変わっている(※当社試験)