こんにちは。ダントータイルのタイル研究室です。
今回の記事では2024年発売の新製品をご紹介いたします。
また5月に発刊した新カタログには、新製品だけではなくそのデザインコンセプトや、ご好評いただいている組み合わせ張りなど、多くの情報を掲載していますので併せてご紹介させていただきます。
2024年の製品開発のデザインコンセプト
一昨年より、「CHAIN:Dantoとつなぐ」をキーワードに、タイルを軸としながらあらゆる人とつながることを目的として、カタログの作成を行ってきました。
そのきっかけの一つとなるよう、私たちは「タイルで世界の想像力を刺激する」というブランドパーパスのもと、オリジナルなデザインコンセプトを軸に発信を続けています。
2024年のデザインコンセプトは「so simple」~かぎりなく、少なくて、豊かなもの。
このコンセプトは、ドイツの建築家 ミース・ファン・デル・ローエの言葉 ”Less is More(少ない方が豊かである)”に着想を得たものです。
“シンプルなデザインを追求することによって、一層美しく豊かな空間が生まれる”という発想をタイルで表現したいと考えています。
より少ない資源で良質なものを構築することにも繋がるこの手法が、大量生産・大量消費が見直される今日の新たな選択肢となることを期待しています。
新製品のご紹介
当社の新製品をご紹介する前に、日本における全ての新製品(新商品)の概要について以下に解説したいと思います。
そもそも新商品の発売数は、企業のマーケティング戦略の一部であり、消費者の関心を引き、市場での競争力を維持するための重要な手段です。新商品の開発と発売は、消費者のニーズや嗜好の変化、技術の進歩、市場の動向など、多くの要素に影響を受けます。
例えば、飲料業界では、季節やトレンドに応じて新商品が頻繁に発売されます。夏にはさっぱりとした味わいの商品、冬には温かみのある商品など、季節感を取り入れた商品開発が行われます。また、健康志向の高まりに対応して、糖分ゼロや低カロリーの商品、ビタミンやミネラルを配合した機能性飲料なども増えています。
コンビニエンスストアでは、新商品の発売は店舗の魅力を高め、顧客のリピート購入を促すための重要な戦略です。商品のラインナップを頻繁に更新することで、消費者に新鮮な驚きや楽しみをサービスとして提供し、店舗への来店頻度を増やすことを目指しています。
これらの例からもわかるように、新商品の発売数は、企業の戦略や市場環境、消費者のニーズなどにより大きく変わります。企業が新商品を発売する背景には、これらの要素が大きく関わっていると言えます。
食品業界の新製品については、データに上がってこないような全国各地の食品や、さらにいえば家族経営企業の商品なども含めて、その数はなんと年間5万~8万点と言われているそうです。食品は新商品が多く発売されるカテゴリーだと思いますが、とてつもない数の新商品が毎年発売されていることが分かります。
他国と比較した場合、日本の新商品の発売頻度と数は世界で一番多いと言えるでしょう。例えば、日本のコンビニエンスストアでは、商品は常時約3000点あり、1週間におよそ100点の新商品が発売されています。これに対して、他国のコンビニエンスストアでは商品数が少なく、新商品の発売も頻繁ではありません。
これらの事から、日本の商品開発は他国を圧倒するものがあると言っていいでしょう。その背景には、日本の文化的な要素や消費者の行動が大きく影響していると考えられます。具体的には、日本人は新しいものを好む傾向があり、また、贈り物文化や女性の消費力が強いことなどが、新商品の発売数が多い理由として挙げられます。これらの要素が、日本の新商品の発売数が他国と比べて多い一因となっていると考えられます。
しかし実際のところ、ハイペースで新商品を出し続けるこの状況に疲弊しているメーカーも少なくなく、消費者もあまりにも多くの商品がある中で、自分にとって本当に必要なものが探しづらくなっているのではないでしょうか。私自身も含め日本人は、”Less is More(少ない方が豊かである)”という言葉の内容を再確認する必要があるかも知れません。
少しスケールの大きい話になりましたが、当社の2024年発表の新製品は14シリーズ(+増面状2シリーズ)となります。その中から4点をピックアップして、商品のポイント等も併せご紹介していきたいと思います。
toukoh(トウコウ)
toukohは再流行の兆しを見せるコット調の色合いと、和紙のような柔らかな風合いもつタイルです。
土にこだわる淡路島工場で配合された特殊な原料を使用しており、光をやさしく透過します。
通常通り壁面に使用することもできますが、アクリル板にクリアなボンドで貼り付け組み立てることで、行燈の様な使い方ができる素材です。
形状は200×100、300×50の2種類をご用意していますが、300×50の裏足はあり状(凹凸)となっており、透光させた際に凸部が筋のように見えるのも特徴です(200×100の裏足はフラットとなります)。
porous(ポラス)
porousは多孔質な大谷石の模様を表現したタイルです。
使用が限定されていた大谷石ですが、このporousはタイルの機能により経年変化が少なく、外壁含め様々な場面で使用できることがメリットです。
大谷石の不規則な“孔(あな)”を再現するために、淡路島の線香メーカー・株式会社薫寿堂から廃棄される予定の端材をいただき原料として使用しているのがポイントです。
線香の端材を使用する数量はわずかですが、資源のリサイクルにも貢献しています。
ちなみに淡路島のお香・線香の生産量は、日本国内の生産量の50%以上を占めているとのことです。
Clay Art(クレイアート)*9月発売予定
Clay Artは土が持つ表情を映したような、あたたかな風合いの600角タイルです。
セメントと粘土からインスピレーションを得ています。
トレンドのテラコッタ風の色合いで、表面はのっぺりとしたセメント調ではなく土を意識したクレイコット調で、イタリアの最新コレクションです。
滑り抵抗値も十分な数値が確保されており、外部の床にも安心してお使いいただけます。
Terra Mold(テラモード)*8月発売予定
Terra Moldは土をイメージした風合いを魅せる、テラコッタ調の内装壁タイルです。
トレンドのテラコッタ風の6色を、300×53のボーダー、200角のレリーフ面状でご用意いたしました。
落ち着いた自然なムラをデジタルインクジェット施釉により表現した、イタリアのトレンドコレクションです。
南欧風の店舗や住宅と相性が良く、外部にも使用可能なため内部から外部に連続して続く開放的なインテリア空間におすすめです。
追加された組み合わせ張り
当社が数年前から提案している組み合わせ張りですが、この方法はSDGs目標12「つくる責任、つかう責任」に沿っていると考えています。
タイルの選択肢を増やすために毎年各メーカーは製品の種類を増やしていますが、その分廃番製品が生まれ無駄が増えていくことにつながっています。
そこで、違う製品を組み合わせて使うことにより無数のバリエーションが生まれ、一つの製品で様々な使い方ができ、それが結果的に無駄を減らすことにつながると考えています。
丹精込めて“つくられた”製品なので、様々な形で“つかって”いただくためのご提案です。
今年も二種類の組み合わせ張りパターンを新たに追加しています。
Sassi Pietre+porous
2023年発売のSassi Pietreに、先ほどご紹介した新製品porousを組み合わせたパターンです。
多様な石材の石灰質要素を組み合わせ凝縮した意匠が特徴のSassi Pietreをベースに、大谷石をモチーフにした厚みの異なるporousを挟み込んでいくことで、石風タイルの組み合わせが醸し出す調和の中に独特のリズム感が生まれます。
Sassi Pietre:SSP-101/600×300
porous:POR-100/300x50A
sakan kushibiki+porous
こちらも2023年発売のsakan kushibikiとporousを組み合わせたパターンです。
その名の通り左官をモチーフにしたsakan kushibikiは、生産工場のある淡路島の左官職人とのコラボレーションにより生まれた、リサイクル原料を採用したハンドクラフト製品です。
櫛引調の意匠に組み込まれた大谷石の風合いが、規則的なパターンの中でアクセントになっています。
sakan kushibiki:SKS-10/300×100、SKS-100/300×100
porous:POR-100/300X100A
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は2024年新製品を中心にご紹介いたしました。
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それではカタログ、サンプルのご請求をお待ちしております。