日本の戸建住宅建築において、タイルが使われるのは基本的に玄関部分だけというのが現状。 でも、実は家の中には、タイルが使える部分がたくさんあるんです。
外壁タイル
今の戸建住宅の外壁はサイディングが主流となっています。サイディングはコストも手ごろで、デザインも豊富、耐久年数も上がってきています。
しかし15年程度での塗り直しや、30年後には場合によっては張替えも必要となり、2代・3代と受け継いでいく住宅にしたい場合は、メンテナンス費用を含めると、新築時には高かったタイル張りの方がお得になると言われています。タイル自身は経年劣化がほとんどなく半永久です。
10~15年経過のサイディング 20~25年経過のサイディング
以前の外壁タイル張りは、モルタルでタイル用の下地を作って、その上にモルタルでタイルを張って・・・、と工期もかかり、なおかつ重量があって建物への負担が大きく、躯体の動きによりタイルがはがれてしまう、なんてこともありましたが、現在は短い工期で、剥がれにくく、軽量で建物への負担も減った、弾性接着剤で簡単に張れる工法も発達してきています。
参照:一般社団法人全国タイル業協会
参照:株式会社DantoTile
内装床タイル
内部でもタイルの出番はあります。住宅内部の床はフローリングが主流ですが、タイルは
約1,200度の高温で焼成しており水や汚れに強いため、水回りではその効果を発揮します。
戸建住宅の床は木下地のため、たわみによる割れが大きな問題でした。
現在では木下地専用の接着剤と樹脂入りの弾性目地を使用することにより、割れの問題も少なくなり、弾性目地は吸水がほとんどないためペットのおしっこやしょうゆ汚れにも効果を発揮します。タイルは元々熱伝導性、蓄熱性に優れた建材ですので、床暖房を併用することで、足元から部屋全体を均一に温めることができます。
参照:株式会社DantoTile
その他にも
キッチンに張るモザイクタイルは意匠性が高く、キッチンを華やかに彩ります。
リビングなどの内装壁に外装壁用タイルを張ることも可能。高級感が増し、まるでおしゃれなカフェにいるような錯覚を感じます。
トイレの床では汚れに強く、掃除がしやすいので非常に衛生的です。
バルコニーに連結して置くだけのタイルは、簡単施工、低コストで高級感たっぷりにリフォームが可能です。
まとめ
いかがでしたか。玄関だけでなく、様々な部分でタイルは使うことができるんです。
とはいっても、タイルを使う大きなデメリットはその価格。全ての部分でタイルを使うには建築コストが跳ね上がってしまうのも現実です。
戸建て住宅の中で、最も自身がこだわるスペースに予算を割いて、こだわりのタイルを使用してみてはいかがでしょうか。きっと普段の暮らしが大きく豊かなものに変わります。
もし、新築時には無理だとしても、資金的にゆとりができれば部分リフォームでの工事も今では低コストで可能です。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。