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焼き物であるタイルの特性

タイル研究室

タイルは「焼き物」であり、焼き物ならではの味わいと素材感を持つ建材です。
皆様にも「焼き物」であるタイルの特性をご理解頂き、本当の意味でのタイルの良さを知って頂ければと思います。

カタログと現物の違い

タイルの製品サンプルを確認した時、印刷されたカタログやデジタルカタログの画面を見比べて「同じ製品なのにイメージが違う」というご経験をされたことはありませんか?

タイルに限ったことではありませんが、現物やサンプルと印刷物やパソコンのディスプレイ越しでは、イメージが違って見えることがあります。
カタログ制作時に色合いを細かくチェックをしますが、パソコンのディスプレイの種類や設定によっても見え方は異なります。

「クラストエッジ」
カタログでの見え方
「クラストエッジ」
サンプル帳での見え方

特に表面に凹凸のあるタイルは、見る角度や光の当たり方などによって、その見え方は大きく変わってきます。
後ほど色に対する光の影響についてご説明いたします。

弊社でもカタログやWEBサイトに「現物との色差」についての注意喚起を行っています。
タイルの特性をご存じのお客様は、色や質感は「そのもの」を見た方が良い、という認識をお持ちかと思われます。

お客様からは「タイルはやっぱりカタログで見るより現物の方が良い」と言って頂ける場合が多いのですが、中にはイメージと異なることに納得いただけない場合もあります。
しかし、一度施工してしまったタイルを剥がしてもう一度施工するということは、簡単にはできません。
当然ながら大きな費用がかかる上に、工期にも影響を及ぼします。
※カタログにも記載しておりますが、施工後のクレームはお受けすることができません。あらかじめご了承ください。

こういった事を未然に防ぐ為に「事前のサンプル確認のお願い」をカタログに記載しており、今回のタイル研究室でも改めてお勧め致します。

生産ロットの違いによる色幅・色差

タイルにとって「色」は重要な要素の一つです。
焼き物であるタイルには、同じ品番であっても生産ロットの違いによる色幅や色差が生じることがあります。

タイルを焼成する際、焼成前の乾燥状態や焼成時の微妙な温度差、酸素の量、窯の中での位置など、様々な要因により色幅や色差が生じます。
色幅の範囲は人間の手で完全にコントロールしきれない部分ではありますが、逆にそれが深い味わいとなり、1枚ずつ異なる表情を生み出します。

例えば先程の画像「クラストエッジ」のように濃中淡3色ミックスの製品を生産する時その3色の中でも色幅が存在する為、基準とする色から濃か淡どちらかにわずかに振れただけでもシートとして見ると大きく違って見えることがあります。

長年生産している製品でも色を基準色に合わせるのが難しいのにはこういった要因があります。

タイルA
タイルB

*受け入れ時期の異なるロット間の色差(タイルA、タイルBともに海外品床タイル)

色に対する「光」の影響力

同じタイルでも「光」の当たり方や強度により見え方や色が違って見えることがあります。
これについてどのぐらい違って見えるかの実験をしてみました。

順光+光強度「中」
順光+光強度「強」
逆光+光強度「中」

これらの画像は全て「同じタイル」を「同じ並べ方」で異なる光環境のもとで撮影したものです。

順光と逆光、光の強さやタイルの厚み違いによる陰影によって異なった色に見えます。
これは先程ご紹介した生産ロット間の色差・色幅とは違ってタイル本来の言わば「表情」です。
「光」が「色」に対してどれ程大きな影響を与えているのかが良く分かります。

輸入タイルのカリバーについて

タイルは天然原料等を高温焼成したセラミック製品です。
原料の組成・焼成環境・気温の変動等の条件により、ロットごとに寸法精度や色合い・光沢に幅が生じます。

イタリア・中国等の海外メーカーの大型タイルは焼成後カット・側面研磨を行い基準寸法に合わせることがありますが、製品によっては製法上焼成後のカット・側面研磨を行わないタイルもあります。

その場合、製造ロットごとに寸法誤差(カリバー=caliber)が生じます。
その為製造メーカーでは数種類の寸法に分類しカリバー管理を行います。
(カリバー寸法は製造メーカーや製品により様々ですが、日本国内製品にはカリバー管理という概念はありません。)

弊社では基本的に輸入した製品を国内倉庫で在庫管理していますが、輸入時期によりカタログ表記実寸法とは若干の幅が生じる場合があります。
実寸法につきましては弊社までお問い合わせください。

*また、輸入時期によりロット間の色調・光沢に幅が生じる場合があります。
 ご注文の際はできるだけご一括で注文頂けますようお願いいたします。

カリバーによる寸法の差
カリバーによる寸法の差
タイルの箱にカリバーが記載されています

タイルの本当の良さを知ってもらう為に

繰り返しになりますが「焼き物」であるタイルは他の建材には無い特有の存在感を持ちます。
耐久性・耐候性などの機能面以外にも、素材感や温かみ、張り方によって同じ商品でも様々な表情を表現することが出来る建材です。
実に多才なこの建材を、より多くの方々に知って頂きたいと私たちは願っています。
その良質な特性の裏側にはご理解いただきたいポイントがあり、そちらも合わせて知って頂ければ幸いです。

これからもお客様に「このタイルを選んで良かった」と感じていただけるよう、思いを込めてタイルをお届けしてまいります。

タイル名称統一100周年

2022年4月12日がタイル名称統一100周年の記念日になりました。
私たちタイル業界にとって非常に喜ばしいことであり、歴史的にも伝統あるこの素材を更に皆様に知って頂きたいという意欲と、業界を発展させる為に皆様に喜んで頂ける製品を一品でも多く世の中に送りださなければならないという責任を感じています。

その為にお客様からの製品やサービスに対する様々なご意見をお聞かせ頂きたく思っておりますので是非宜しくお願い致します。

© DANTO TILE CO.,LTD.
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