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特注タイルとは?オーダーメイドでオリジナルタイルを作るには?

タイル研究室

こんにちは。ダントータイルのタイル研究室です。
今回のタイル研究室では、特注タイルについてお話しします。

特注タイルとは?

特注タイルとは、「特別注文タイル」のことを指します。
読んで字のごとく、「特別に注文されたタイル」です。

タイルメーカーでは一般的にカタログなどに「生産区分」を記載しています。
当社では下記の区分をしています。

●標準品:常時在庫(少量在庫、仕入先在庫含む)
●限定在庫品:在庫有りきり(無くなり次第販売終了)
●注文品:注文後に生産・輸入

???特注タイルがありません???

在庫を持たず、注文後に生産する「注文品」が有りますが、こちらは予め色や形状などの仕様が決まっており、その仕様に基づいているためオリジナル商品ではありません。
特注タイルは、カタログに載っていない商品をオーダーメイドで製作するものになります。

特注タイルは大きく分けて二種類あります。

カタログに掲載されている商品の色や形状を少し変える「セミオーダー」と、一から色や形状を組み合わせて作る「フルオーダー」の二つに分けることができます。
フルオーダーと聞くと一見とても難しそうに感じますが、元々焼き物であるタイルも工業製品として技術が進歩しており、オリジナルデザインで様々な色や形状のタイルを製作することが可能です。

特注タイル製作の概要

次に、特注タイル製作の概要をご説明します。当社の場合、営業との打ち合わせにより進めていきます。

はじめに、のイメージをお伝えください。

外装モザイクの色見本

日本塗料工業会の色見本を使用する方法でも大丈夫ですが、タイルでは出せない色がありますので、既存タイルの中からお選びいただければイメージに近い色が出せると思います。
ただし、製法(乾式・湿式)、釉薬の有無によって同じタイルでも仕上がりは大きく異なりますので、ご注意ください。

次に形状(および面状)を検討します。

乾式成形の面状見本

金型はメーカーのカタログなどに一覧で掲載されているケースが多いのですが、そこに掲載されていない金型を保有している場合もあります。

ほとんどは既存の金型を使用しますが、まれに新たな金型を製作するケースもあります。
製法により製作できる形状や面状があり、乾式製法では顆粒状の原料を高圧でプレスするため高低差など多少制限が生じます。
一方湿式製法は、粘土状の原料を押し出して成形するため、自由度が高くなります。
立法的に成形を行う場合は、鋳込み成形という特殊な成形方法を用います。

金型を新たに製作する際は、イメージする形状・面状の対応可否や製法によって金型費用は大きく異なってきますので、メーカーの営業と綿密な打合せが必要です。


色・形状が決まったらサンプルを製作します。
チップのカラーサンプルからスタートする方法と、最初から実際の商品と同じもの(以下商品サンプル)を製作する方法があります。

納期は大体3週間から1か月程度となりますが、商品サンプルを製作する工程は実際の生産工程とほぼ同じです。

過去の経験やデータなど参考にして、原料や釉薬の色調整後、成形・施釉して窯で焼成します。
小さい電気炉を保有している工場ではそれで焼成することもありますが、多くの工場では販売する商品と一緒に本窯で焼成します。
大きな色幅が出そうなものは窯の中で色々な位置に置き焼成することで、本生産時の色幅に近いイメージを作り出しています。

サンプルが完成したら、描いていたイメージと合致しているか確認します。
外壁タイルの場合には、実際に外で太陽光のもと確認することをお勧めします。
パネルに貼ったサンプルを立てた状態で、色・陰影を正面だけでなく斜めからも見ることで、実際の壁面をイメージしやすくなります。

ただし、サンプルは実際より少ない数量で製作されたものとなり、本生産時には色幅が大きくなることもあります。また、外気温の影響を受け色合いが濃くなったり、薄くなったりすることがあります。
決定サンプルに対して色幅や色の濃淡が、どちらの方向に振れれば設計イメージの許容範囲なのか?など、予め営業にお伝えいただけると生産工場にも情報が共有され、生産荷口がイメージから大きく外れるリスクを低減させることができるかもしれません。

関連記事:タイル研究室「焼き物であるタイルの特性

製作されたサンプルの承認後、ご注文をいただき生産します。

生産後、メーカーでは生産された特注タイルが承認サンプルと遜色のない商品となっているか、検査を行います。
寸法などは定められた数値内に納まっているか明確ですが、色や外観については目視検査となるため、施工前に現場でも生産荷口の確認を行っていただくのが通例です。

生産荷口が承認されると、施工時期に合わせ現場に納品されます。手間暇をかけて生み出した特注タイルなので、施工が終わるその日まで、関係者の皆さんで見届けていただければ幸いです。

特注タイルの施工事例

当社の特注タイル施工事例をご紹介します。

JA淡路島本所会館/陶扇Ⅱ特注色
岡山市民病院/アジョワンボーダー特注色
日本青年館/湿式ボーダー特注品

まとめ

今回は特注タイルについてお話ししました。

数量や納期、ご注意いただきたいことは種々ありますが、特注タイルは世界に一つのこだわりのオリジナルタイルになります。

実際に生産する工場では大変なこともあります。しかし、生産したことのないものにチャレンジすることやオリジナルデザインの実現に微力ながらお手伝いできること、何より、特注タイルでお客様に喜んでいただけることは、タイルメーカー冥利に尽きます。

外壁モザイクタイルなどでは比較的ポピュラーな特注タイルですが、当社では床の特注タイルにも対応することが可能です。

特注タイルをご検討の際は、対応の可否、金型の有無など一度当社までご相談ください。

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